役員の「社会保険料」の節減方法とは?

内容的には社員のいる(雇用)会社の「社会保険料」の節減方法が大半なのですが、弊社のように役員だけの会社にも参考になる方法がありました。
それが「目から鱗」的な方法なので驚きました。
役員の「社会保険料」の節減方法とは?

役員の社会保険に関しての節約方法

本書の95頁からの「役員の社会保険に関しての節約」についての記述があります。

特に102頁からの「事前確定届給与を利用する」の記述です。

「役員報酬の総額を変えることなく、支払方法をかえるだけで社会保険料を節約する方法」。

この方法は通常もそうですが、65歳以上になって「老齢年金を全額受け取りながら、役員報酬も全額受け取る方法」に使えます。
※働いて給料をもらいながら、老齢年金を受け取る場合、標準報酬月額+年金月額の合計額が46万円を超えると、超えた分の半分の年金額が支給停止されます。

(例1)
役員報酬月額100万円[標準報酬月額62万円(①)]、年金月額10万円(②)の場合

①+②=72万円…③
③-46万円=26万円…④
④÷2=13万円…⑤
⑤>10万円となり、年金月額は全額支給停止となる。

(例2)
これを役員報酬月額10万円+賞与1080万円(年1回)にすると、
(9.8万円(標準報酬月額)+150万円÷12)+10万円=32,3万円…⑥
⑥<46万円となり、年金月額は支給停止されることなく、全額受け取れる。もちろん、役員報酬も全額受け取れる。

ここで、注目すべきは、(例1)も(例2)も年間で受け取る役員報酬の総額は同じという点。

(例1)
100万円×12=1200万円
(例2)
10万円×12+1080万円=1200万円

なぜ、年間で受け取る役員報酬の総額は同じにもかかわらず、方や年金月額は全額支給禁止、方や全額支給となったのか?

それは、賞与は1回の標準報酬額の上限が150万円と決まっていることにある。
実際には1080万円の報酬(賞与)を支給しているにもかかわらず、150万円を超える930万円に関しては、標準報酬額の対象から除外されているのだ。

高額な賞与を支給することの問題点

ただし、この方法には問題点がある。

まず、税務署に「事前確定届出給与」の届出を事前にすること。
そして、その通りに支払わなければ、全額が損金として認められなくなる。
しかし、それ以前にその賞与が妥当な金額かという問題がある。
法人税法上、「不相当に高額な役員給与」は損金に不算入となっている。

それ以外にもデメリットはあるが、社会保険が節約でき、在職老齢年金も全額支給されるので、うまく使えばメリットが大きい。

妥当な賞与額はいくらなのか?

では、妥当な賞与額はいくらだろうか?
これについては、平成15年の改正で、それ以前は賞与を標準報酬の対象としていなかったのを標準報酬の対象と定めた時点で厚労省の目安が出ている。
それは、賞与は月額の3か月分。
賞与が月額(基本給)の何ヶ月分にあたるかは企業や業績によっても異なる。
大企業は2.5ヶ月、中小企業は1ヶ月が平均的な数字のようなので、厚労省の見解は妥当だと言える。

そこで、年間役員報酬額1200万円、賞与を3か月分として計算してみる。

1200万円÷15×3=240万円…賞与額⑦
1200万円÷15=80万円…月額報酬⑧

62万円+(150万円÷12)+10万円=84.5万円…⑨
(⑨-46万円)×1/2=19.25万円>10万円
この計算では年金は全額支給停止となった。

元々の年間役員報酬額に無理があったようだ。

年金月額が全額支給される年間役員報酬額はいくら?

年金月額が全額支給される年間役員報酬額はいくらだろうか?
逆算してみる。

標準報酬月額をX万円とする。

X万円+(X万円×3÷12)+10万円=46万円
X万円=46万円-(0.25X万円)-10万円
1.25X万円=36万円
X万円=28.8万円

標準報酬月額としては28万円。

検算してみる。

28万円+(28.8万円×3÷12)+10万円=45.2万円<46万円

年間役員報酬額=28.8万円×15=432万円

当初の年間役員報酬額に比べると1/3に近い数字になってしまった。
やはり、高額な役員報酬をもらいながら、年金を全額支給してもらうというのは虫のいい相談であった。

ただ、そこまで高額を考えなければ、有効な方法である。

また、年金支給停止を考えなくてよい在宅老齢年金受給前には大いに社会保険料の節約になる方法である。
改訂版 「社会保険料」の節減

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