「富裕層のばれない脱税~『タックスヘイブン』から『脱税支援業者』まで~マルサを超える元国税局資料調査課がイカサマを暴く!」という本を読んだ。
「富裕層のばれない脱税」の内容と感想・口コミ等です。

「富裕層のばれない脱税」の内容

◇著者:佐藤弘幸
東京国税局資料調査課(リョウチョウ)等に勤務後、税理士開業。

◇内容(「BOOK」データベースより)
タックスヘイブンの存在が暴露されて以降、「大金持ちがまともに税金を払っていない」ことはなかば常識となりつつある。

本書は、マルサ(国税局査察部)を超える最強部隊と呼ばれる元国税局資料調査課の著者が、富裕層のあらゆる脱税の手口を白日のもとにさらす一冊だ。

カネを国外に逃がす方法は?金塊が密輸される理由は?脱税支援業者の驚愕の手口とは?そのすべてが明らかになる。

“富裕層”とは?

いつからかよく耳(目)にするようになった”富裕層”と言う言葉。
昔なら”(大)金持ち”とか”億万長者”という言葉であった。

「純金融資産が1億円以上あると、”富裕層”と呼ばれることが多い。」

野村総合研究所が全国の企業オーナーを対象に調査した「NRI富裕層アンケート調査」の調査結果のレポートでは、”富裕層”は純金融資産1億円以上5億円未満に分類されている。

“富裕層”の上には純金融資産5億円以上の”超富裕層”もある。

“富裕層”は所得ではなく、純金融資産で判断するようだ。
要は、自由になる資産を持っている。

その資産を投資することで働かないで生活していける人と言えるのか?
最も、年利1%では、年間収入はたかが100万円。
10%で1000万円。
しかも、収入には税金がかかるので手元に入る金額は目減りする。
そこに脱税を生む要因があるのかもしれない。

「富裕層のばれない脱税」口コミ・感想

本書のタイトルは「富裕層のばれない脱税」とあるのだが、内容は周辺知識がやたらと多い。

しかも、言い回しがくどい。

「富裕層のばれない脱税」というと、ケイマン諸島等の租税回避地を経由する脱税が頭に浮かぶが、著者が紹介する租税回避スキームは非常に複雑かつ手間とお金がかかる方法だ。

しかも、”富裕層”というよりは”会社”を対象としたスキームが多い印象を受ける。

GoogleやAppleが実施している節税方法は「脱税」と紙一重に感じるが、今のところ適法だ。
しかし、それはあくまでもグローバルな会社だからこと出来ること。

それにしても、この本、Amazonの口コミ評価は高い。
5つ星のうち4.5(8件)。
星5つが7件、星1つが1件と極端な評価だ。
やたらとコメントが長いのも特長。

脱税の手口や国税がいかにそれを察知するのか、元国税税理士の暗躍等、国税のリョウチョウに居たからこそ言える暴露話は面白いのだが、問題はタイトル。

“富裕層”というよりは、会社対象の租税回避スキームが多い。
※149頁からようやく「富裕層の具体的な租税回避スキーム」の紹介が始まる。
そして、高度な脱税スキームは一部。
前半は一般的な脱税の手口が紹介されている。
そして”ばれない”は既に国税にばれている。

タイトルと実際の内容が離れすぎているように感じた。
「富裕層のばれない脱税」

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