給与所得以外に個人事業の青色申告がある為、毎年確定申告をしている。
個人事業では社会保険労務士の報酬があるが、源泉徴収税を申告していなかったことに気が付いた。
税理士に確認すると「更正の請求」が出来ると言う。
「更正の請求」とは?
「更正の請求書」の書き方は?添付書類は?
電子申告は可能?
「更正の請求」に関する疑問はこれで解決!

更正の請求とは

国税庁のHPには更正の請求について以下の記載があります。

確定申告期限後に申告書に書いた税額等に誤りがあったことを発見した場合や確定申告をしなかったために決定を受けた場合などで、申告等をした税額等が実際より多かったときに正しい額に訂正することを求める場合の手続です。
引用元:[手続名]所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続

手続対象者

「計算誤り等により税額が過大であったり、純損失等の金額が過少であったり、あるいは還付金が少なかった方」

提出時期

「国税に関する法律の規定に従っていなかった場合又はその計算に誤りがあった場合は、法定申告期限から5年以内に提出してください。」

今年は新型コロナウィルスの影響で確定申告の提出期限が伸びているが、通常は3月15日。

確定申告

2018年(平成30年)分の提出期限

例えば、2018年(平成30年)分の確定申告に関し、確定申告後に申告書に誤りに気が付いて「更正の請求」をするケースを考える。

提出期限は2019年3月15日なので、「更正の請求」の提出期限は2024年3月15日となる。

逆にいつの分まで遡って請求できるのか?

2020年3月15日までに「更正の請求」できるのはいつの分

2020年-5年-1年=2014年

即ち2014年分の確定申告(提出期限:2015年3月15日)まで遡って「更正の請求」が出来る事になる。

提出方法

国税庁のHPには「請求書を作成のうえ、持参又は送付により提出してください。」とあるので、e-tax(電子申告)での請求は不可だ。

添付書類

「取引の記録に基づき請求の理由の基礎となる事実を記載した書類を1部提出してください。
なお、変動所得若しくは臨時所得のある方は「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」など、この請求書の請求額を計算するに当たり使用した計算明細書等がある場合は、その書類も各1部提出してください。」

私の場合は、会社の給料以外に個人事業の初回保険労務士の報酬に関する源泉所得税を申告していなかったので、提出する書類は以下になると思われる。

●給与所得の源泉徴収票
●報酬、料金、契約金及び賃金の支払調書

但し、「報酬、料金、契約金及び賃金の支払調書」が2年分必要だが、1年分しか見当たらない。
税理士に再発行が可能か確認の予定。

特に「原本」という記載はないので、コピーで良いのだろう。

更正の請求書の書き方

更正の請求書

国税庁のHPから、「更正の請求書」及び「書き方」をダウンロードできる。
尚、平成分と令和分とでは「更正の請求書」は異なる。
といっても、予め記載されている元号が異なるだけで内容は同じ。

平成分「更正の請求書」

平成_年分所得税及び復興特別所得税の更正の請求書&書き方

令和分「更正の請求書」

令和_年分所得税及び復興特別所得税の更正の請求書&書き方

「更正の請求書」の書き方

「更正の請求書」は1年度につき1枚

私の場合、2年、確定申告書に誤りがあったので、2枚記入する必要がある。

「令和」と「平成」とでは「更正の請求書」が異なる

但し、元号が変わったので、「更正の請求」の対象が「令和」と「平成」とでは、「更正の請求書」も異なるので注意が必要だ。

「書き方」の記載があるが・・・

上記のPDFには「書き方」の記載があるが、「記入例」はないので、これだけではどう記入すればよいかは分からない。

但し、「令和年 分所得税及び復興税別所得税の更正の請求書・書き方【令和元年分以降用】]には以下の記載がある。

「請求額の計算書(記載に当たっては、所得税及び復興税別所得税の確定申告の手引きなどを参照してください。)」

結局、「更正の請求書」には何をどう記入すれば良いのか?

「更正の請求書」記入例

これに関しては、ネットに記入例(見本)が公開されているので参考になる。

「更正の請求書」記入例
出典元:「更正の請求書」記入例【髙荷祐二税理士事務所】

「更正の請求書」に何を書くのか?

「更正の請求書」には以下の2つの欄がある。

●申告し又は処分の通知を受けた額
●請求額

申告し又は処分の通知を受けた額

ここには確定申告をした「所得税及び復興税別所得税の申告内容確認票B」の数字をそのまま記入すれば良い。

請求額

この欄は、修正した金額を記入。
但し、変更のない金額についても左の「申告し又は処分の通知を受けた額」を記入する。

要は、以前提出した確定申告書を修正し、提出し直す感じだ。
その際、以前の数字も記入し、どの項目がいくら変わったのかが分かるようにする。

税金の還付はいつ?

税金

所得税の還付

「更正の請求書」の提出から税金の還付まで以下の流れになる。

①「更正の請求書」を提出
②税務署から「更正通知書」が送られてくる。
③還付金が銀行口座に振り込まれる。

①→②:約1ヶ月
②→③:約1ヵ月

要は「更正の請求書」を提出から約2ヵ月後に税金の還付金が振り込まれる。※目安です。前後します。

住民税の還付

「更正の請求」は基本的に所得税の還付を税務署に請求する手続き。
では、住民税はどうなるのだろうか?

これに関しては、「更正の請求」が承認されると「更正の請求書」のデータが税務署から市区町村の役所に送られ、自動的に住民税の再計算が行なわれる。

その結果、住民税の還付が行なわれる。

但し、所得税の承認が済んでからなので、約1ヶ月ずれる。
結局、「更正の請求書」を提出から約3ヵ月後に税金の還付金が振り込まれる。
※目安です。前後します。

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