会社の定款は会社のルールだ。
しかし、定款に記載のないことを後で追加したり、定款の条文そのものを変更する場合もある。
弊社の場合、利益配当に関し、定款変更の必要が生じた。⇒合同会社の出資金の利益配当は可能?利益配当の方法とメリットは?
合同会社の定款変更の手続きとは?

定款変更の基本

電子定款、紙定款にかかわらず、設立時の定款は原始定款と言い、設立時の定款(原始定款)その物は変更しない。
※弊社の場合、「電子定款」だ。

原始定款に株主総会で定款変更した内容を添付しておくということになる。(変更の差分となる株主総会議事録を追加していきます。)
※株主総会は株式会社の場合。合同会社の場合は、「社員総会」になる。

これが定款変更の基本である。

問題は次の3点。
①変更には作成時の行政書士(司法書士)に頼まないといけないのか
②届出はいるのか?
③社員総会議事録の作り方

あくまでも、合同会社の場合で考える。

①に関しては、定款変更はそもそも、自分で出来る。
従って、作成時の行政書士(司法書士)に依頼する必要はない。

定款変更に届出が必要な事項とは?

合同会社は、原則「総社員の同意」によって定款を変更することができる。
但し、変更した事項が登記事項にかかる場合は、管轄の法務局へ変更登記の申請が必要だ。

法務局で登記されている事項は次の通り。
1.目的(事業目的)
2.商号(会社名)
3.本店及び支店の所在地
4.存続期間または解散事由についての定款の定め
5.資本金の額(増資・減資等)
6.業務執行社員の氏名または名称
7.代表社員の氏名または名称及び住所
8.代表社員が法人である場合は職務執行者の氏名及び住所
9.公告方法についての定款の定め
10.電子公告を公告方法とする場合は、電子公告をするWEBページのURL及び予備的公告方法の定めがあるときはその定め
11.公告方法について定款に定めのないときは官報を公告方法とする旨

この中でも変更が多いのは、「目的(事業目的)変更」「商号(会社名)変更」「本店及び支店の所在地の変更」「資本金の額(増資等)の変更」「業務執行社員の氏名または名称の変更」「代表社員の氏名または名称及び住所の変更」だという。

実際、私は近い将来、会社の分社化を考えている。
その場合、「目的(事業目的)変更」が必要になる。
また、将来、「代表社員の氏名または名称及び住所の変更」もありうる。

例えば、合同会社の「目的(事業目的)変更」の流れは、「総社員の同意で事業目的の変更を決議→管轄法務局での目的変更登記手続き」となる。
※「目的(事業目的)変更」にかかる総社員の同意を得てから2週間以内に登記手続きを行う。

申請から登記完了まで1週間程度ということだ。

「定款変更」に必要な書類は以下の通り。
・総社員の同意書
・変更登記申請書

が、さらに調べてみると、登記すべき事項をオンラインで提出することが出来るようだ。
これは便利。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00051.html

「同意書」「社員総会議事録」の雛形

合同会社の定款変更には、原則「総社員の同意」が必要だ。
しかし、弊社の場合、今までは「社員総会議事録」を用いてきた。
それは、顧問税理士に相談したところ、「社員総会議事録」作成を言われたからだ。

しかし、「議事録」は基本、株式会社の場合であって、合同会社の場合は、「同意書」ではないか?
顧問税理士に確認したところ、合同会社であっても、基本は「議事録」だという。

◇「同意書」の雛形
同意書

1.~

上記に同意する。

平成○○年○月○日

(会社名)
(代表)社員 名前(実印)
社員 名前 (シャチハタ以外)
※「(代表)」は入れても入れなくても可。

◇「社員総会議事録」の雛形
社員総会議事録

平成○○年○月○日午前10時、(住所)本社において、社員総会を開催した。

定刻、代表社員 (名前) は議長席に着き開会を宣し、次のとおり本日の出席社員数を報告し、本総会の付議議案の決議に必要な法定数を満たしている旨を述べた。

議決権を有する社員数  ○名

【決議事項】

1.○○の件
議長は、~を提案し、議場に諮ったところ、社員の賛成を得、本案件は、原案どおり承認可決された。

2.○○の件
議長は、~を提案し、議場に諮ったところ、社員の賛成を得、本案件は、原案どおり承認可決された。

以上をもって本総会の会議の目的事項はすべて終了したので、議長は午前11時、閉会を宣した。上記議事の経過及びその結果を明確にするためこの議事録を作成し、議長及び出席社員が次に記名押印する。

平成○○年○月○日

(会社名)社員総会

議長 代表社員 名前(実印)
社員 名前 (シャチハタ以外)

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