会社の決算月変更を予定している。
決算月を変更を変更するには、異動届出書等を税務署などに提出する必要がある。
最初、ネットで情報を調べたが中途半端だったり浅い記事も多い。
税理士に確認後、直接、役所に電話をして確認した具体的な手続きをご紹介致します。

決算月変更に必要な手続き

決算月を変更するには、以下の手続きが必要。

臨時社員総会を開催⇒議事録作成

合同会社の場合、社員総会だが、株式会社の場合は、株主総会となる。
尚、ここでは”臨時”社員総会としたが、”定例”社員総会でも構わない。

社員総会の内容

社員総会で何をするかだが、要は決算月変更の議案を提出し、社員に承認を得ることを行う。

議事録の書き方(サンプル)

議事録には具体的に以下のような文章が入る。

議案 定款変更の件
議長は事業年度を変更する必要性並びにその理由を説明し、定款第○条を次のとおり変更したい旨を述べその賛否を問うたところ、満場異議なくこれを承認可決した。
(営業年度)
第○条 当会社の営業年度は第1期とし、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。

作成日時は変更前の決算月の翌月だった。
早いに越したことはない。

定款変更

定款とは会社のルールが記載されている書類だ。

定款の書き方(サンプル)

弊社の定款に附則の「(最初の事業年度)第19条 当会社の最初の事業年度は、当会社設立日から平成27年12月31日までとする。」とある。

附則の定款の一部なので、会社法に則って追加や削除が可能のようだ。
※参照:株式会社の設立後、定款の附則は削除しても問題ない?削除するにはどのような方法があるか。【汐留パートナーズ司法書士法人】

であるならば、弊社の場合、定款は以下に変更となる。
【現行】
(最初の事業年度)
第19条 当会社の最初の事業年度は、当会社設立日から平成27年12月31日までとする。
↓決算月を7月に変更する場合
【決算月変更後】
(事業年度)
当会社の事業年度は、毎年8月1から翌年7月31日までとする。

定款は誰が作成するのか?

弊社の定款は元々会社設立時に司法書士が作成してくれたものだが、決算月変更の場合も司法書士に依頼するのだろうか?

これに関して、顧問税理士に質問したところ、以下の回答を得た。
事業年度の変更は登記事項ではありませんので、無資格者が変更することに問題はありません。
貴社にて作成されるのであればWord等のソフトで現在の定款の内容を打ち込んでいただき決算月の部分を新しいものに書き換え、最後に「令和〇年〇月〇日 改定」 とご記載ください。

決算月変更に伴いどこに何を提出するのか?

問題はここである。
ネットで調べた時、「異動届出書を税務署に提出する」という情報を得たが、顧問税理士に確認すると、「税務署に加えて府(大阪府)と市にも提出が必要」との回答を得た。
そこで、具体的にどこに何を提出するのかを役所に電話で確認した。
面倒なのは、3ヶ所にそれぞれの書式の書類を提出する必要があることだ。

税務署

会社の所在地の管轄税務署だ。

税務署

提出物

「異動届出書」を国税局からダウンロード。

添付物

定款のコピー

申請方法

窓口持参・郵送・電子申請(e-Tax)

尚、電子申請の場合、添付物は別途送付する必要がある。

府税事務所

弊社の場合は、大阪府税事務所だが、要は都道府県の税事務所に書類を提出する。
以下は大阪府の場合、

提出物

「法人移動事項申告書」を「大阪府 府税あらかると」からダウンロード

添付物

定款等の写し・議事録のどちらか

申請方法

申請方法は、次の通りです。
窓口持参・郵送・電子申請
※電子申請については、eLTAXホームページから行う。

市役所

市役所の場合、市役所・市民税課が担当窓口になる。
「異動届出書の件で」と言っても担当者に通じなかった。
「決算月変更に伴う法人市民税の件で」と言うと伝わりやすい。

提出物

弊社の所在地では「法人等の設立・異動等の申告書」を提出する。
市のHPからダウンロード

添付物

議事録

提出方法

郵便・窓口・電子申請(eLTAX)

以上の「添付物」は私が直接、役所に電話をして確認したものだが、HPと内容が異なる場合があったので、正確なことは、管轄の税務署・都道府県の税事務所・市役所に確認をお願いします。

決算月変更に伴う提出物提出期限

役所の担当に決算月変更はいつまでに行えば良いのかを最初、税務署に尋ねたが、「変更後できるだけ早く」と繰り返された。
府税事務所は親切だった。
最悪、決算の書類提出と同時でも構わないそうだ。
※決算月から2ヵ月以内

しかし、府税事務所から法人税関係の種類が届くのが決算月の1ヶ月前くらいなので、それ以前が理想的だ。

顧問税理士に確認すると、「余裕を持って、変更する決算月の1~2ヵ月前が良い」とのことだった。
尚、変更後は届出をできるだけ早くする必要があることは言うまでもない。

決算月変更手続きを税理士に依頼する時の費用

以上、見てきたとおり、決算月の変更を行う場合、3ヶ所に3様の書類を提出する必要がある。

全く、縦割り行政の際たるものだ。
3ヶ所とも、3ヶ所に提出することを把握していなかった。
早く統一して、1カ所に提出したら良いようにしてもらいたいものだ。

さて、決算月の変更には、社員総会(株主総会)開催⇒議事録作成⇒定款変更⇒3ヶ所に書類提出、といった手続きが必要だ。

税理士に依頼することはできるのだろうか?
その場合の費用は?

過去に決算月を変更していた

実は弊社は過去にも一度、決算月を変更している。
しかし、その時、どういう手続きをしたのか全く記憶がない。
また、決算月を変更をした定款も見当たらない。
そこで、税理士に確認したところ、決算月の変更は代行したとのこと。

社員総会議事録

過去の社員総会議事録を調べたところ、決算月変更に関わる議事録があった。以下の内容だ。
【決議事項】
2.決算月変更の件
議長は、決算処理に時間的な余裕を持たせる為、決算月を 9 月に変更することを提案し、議場に諮ったところ、社員の賛成を得、本案件は、原案どおり承認可決された。

税理士に依頼する場合の費用

移動届の手続き費用

国と府と市に異動届を提出しますので15,000円(税抜)定款も当所で作成するとなりますと追加で5,000円(税抜)となります。

定款作成費用

定款も当所で作成するとなりますと追加で5,000円(税抜)となります。

決算月変更の具体的な手続き~議事録・定款・異動届出書等の提出先【まとめ】

決算月の変更には、①社員総会(株主総会)開催⇒②議事録作成⇒③定款変更⇒④3ヶ所に書類提出、といった手続きが必要だ。

提出先

決算月変更に伴う書類の提出先は以下の3ヶ所。

但し、3ヶ所に別の書式の書類を提出する。
さらに、それぞれ定款のコピー又は議事録を添付するが、役所によって異なる。
各々確認が必要
だ。

税理に依頼する場合の費用

弊社の顧問税理士に場合、以下の料金だ。

●手続き費用:国と府と市に異動届を提出しますので15,000円(税抜)
●定款作成:定款も当所で作成するとなりますと追加で5,000円(税抜)

何事も経験なので、今回は自分でやることにする。
しかし、今後、また決算月を変更することがあれば、税理士に依頼するつもりだ。
税理士に丸投げした方が断然、楽だ。
その場合、以下の書類を税理士に提出する。
議事録と定款*
*定款は自社で作成する場合
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