『税務署が咎めない「究極の節税」』という本を読んだ。
「究極の節税」とは?
『税務署が咎めない「究極の節税」』の内容、感想&口コミです。
『税務署が咎めない「究極の節税」』内容
著者は大阪国税局管内主要税務署で32年勤務し、中小企業約800社の法人税の調査に従事。平成12年に税理士登録。その後、多くの中小企業の税務をサポート。
と、この肩書を見る限り、税務調査官しか知らない節税の裏ワザが書かれているかと思いきや、至極、真っ当な節税方法が紹介されている。
元々、著者が書きたかったテーマは「寿命50年~強い会社をつくる社長の心得」というものだった。
しかし、出版社の提案で「税から入って義を説く内容」になったとのこと。
第1章では、いかに脱税が割に合わないかが語られる。
第2章で、脱税者の手口。ただ、国税調査官には見抜かれてしまうので脱税を考えるべきではない、と脱税のリスクを訴える。
第3章でタイトルにある「究極の節税」が出てくる。
著者の考える「究極の節税」とは次の4点。
①節税によって「キャッシュ(現預金)」を残す
②潤沢なキャッシュで金融機関の与信力を高め、「好条件の融資」を引き出す。
③好条件の融資を「新たな事業投資」に振り分ける
④事業投資でより大きな利益を創出し、「内部留保」を拡大する
⑤財務・事業基盤の強化で会社を強くし、「継続する会社」を築く
そして、具体的な節税方法が11個紹介されている。
第4章 究極の節税が財務体質を強化し、50年続く会社を築く
この第4章が著者が最も言いたかったところであろう。
『税務署が咎めない「究極の節税」』感想
私は今まで、「税金は払いたくない」⇒「経費で使う」という考え方をしていた。
だからと言って、将来につながらない無駄な経費の使い方はしていない。
著者の主張する「究極の節税」に私の会社が該当しないが、節税の「本来の目的」は「会社を強くする」ということには共感できる。
社内留保の増大を著者は主張するが、私は将来に向けて余裕のある資金を投資しようという気になった。
また、先日、読んだ「社長の節税と資産づくりがまるごとわかる本」と同じく「経営者個人と法人のトータルで節税する」ことが本書でも語られている。
しかも、著者の考える節税の大原則だという。
ここは私に欠けていた視点なので、今後はこれを念頭に節税を進めていこうと思う。
『税務署が咎めない「究極の節税」』口コミ
Amazon口コミレビューでは5つ星のうち 3.4(18件)と低評価。
星5つが9件に対して星1つが5件と評価が両極端に分かれた。
コメントを読むと、裏技的な節税法を期待した方にはガッカリする内容だったようだ。
確かに誤解されるタイトルだ。
また、真新しい節税方法が紹介されているわけではない。
しかし、それは一般的に考えられる「節税」と著者の考える「節税」が根本的に違うところに原因がある。
「節税」も一歩間違えれば「脱税」になりかねない。
内容的には良いのだが、やはり、一般の人がタイトルから期待する内容は書かれていないというのは事実。
名を取るか、実をとるか、というところ。
『税務署が咎めない「究極の節税」』
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