「1000万円生活を謳歌するサラリーマンこそ自分株式会社をつくりなさい」という本を読んだ。
何故、読んだかと言うと、現在、合同会社を経営しているが、近い将来、分社化して株式会社を設立しようと考えているからだ。
「サラリーマンこそ自分株式会社をつくりなさい」の内容、感想&口コミを披露します。

「自分株式会社」のメリットとは?

「自分株式会社」をつくる最大のメリットは、自分に役員報酬を沢山払って法人税をゼロにできること。
※会社を赤字にする

役員報酬を会社で一度まるまる損金控除して、さらにそれを個人で受け取って(給料)所得控除ができる「控除の二重取りシステム」が「自分株式会社」で可能だというのが著者の主張。

かくいう私も個人事業がから法人なりして合同会社を設立した。
もちろん、著者の主張する「控除の二重取り」も設立動機にあった。

ただ、著者は「合同会社」(合資会社・合名会社)ではなく、「株式会社」にしなさい、と。

その理由は、「株式会社」が社会的に信用があり、銀行からお金も借りやすいからだという。

確かにそうだ。
しかし、社会的な信用も銀行からお金を借りる必要もない業種であれば、「株式会社」にこだわる必要はない。

まして、外資系は「合同会社」で日本法人を設立例が増えている。
iPhoneで有名なappleもそうだと聞いた。

この部分は、著者の本業が不動産業なので、会社=「株式会社」という意識が根強い為だろう。

この部分にはがっかりした。

「サラリーマンこそ自分株式会社をつくりなさい」の内容と感想

●第1章 サラリーマンだからこそ社長になれる
●第2章 会社に頼らない人生を生きよう!

第1章、第2章はいかにサラリーマンという立場が危ういか、サラリーマンになっても社長になる確率はゼロに近い、ということを訴えている。

●第3章 自分株式会社の作り方

ここで驚いたのは、「自分株式会社」には社員はいらない、という部分。
私も雇用としての「社員」は考えていないが、妻は役員に入っている。
ところが、著者は家族も会社に入れるべきではない、自分1人だけの会社でいい、という。

その理由は将来的なトラブルを避ける為、と言うのだが、親戚ならいざしらず、家族も信用できないとは、何とも、不幸せなことだ。

また、「パソコンと電話とファックスでできる商売を選ぶ」とあるが、ここでも、不動産業が頭にあるようだ。

私の仕事には「電話」も「ファックス」も必要ない。

●第4章 個人より法人の方が節税メリット大
●第5章 法人化によるデメリット

ここでは、個人事業か法人かという観点からメリット、デメリットが語られている。

ここでも「他人を雇用すると労働保険の加入が必要」なので、「社長1人だけの自分株式会社をつくるのが一番メリットがある」という主張。
家族が役員でも労働保険の加入は必要ない。
どうしても「社長1人だけの自分株式会社」がお好みらしい。

●第6章 「自分株式会社」成功の方程式
「独立起業で成功するにはストック型ビジネスがいい」という主張。
その理由は安定的に収益が獲得できるからのようだ。
そして、念頭にあるのは不動産。
たまにある仲介業のフィーより不動産を所有して家賃収入が入る方が良いというのだ。
しかし、これが他にも当てはまるのかというと疑問だ。

●第7章 遊びや趣味を追求すると、売上は自然に伸びていく。
これは一見、魅力的なタイトルなのだが、内容は、趣味の会等に参加することで人脈が広がり、仕事につながることも多いというお話し。

●第8章 小さくてもいい会社を作ろう
リスク分散については同感。
ただ、著者は不動産業しか経験していないのに、全てを知っているような話しぶりなのには感心しない。

「サラリーマンこそ自分株式会社をつくりなさい」口コミ

Amazonの口コミレビューでは5つ星のうち 4.8(5件)と高評価。
そのコメントを読んでみると、まだ、起業していない人のようだ。

サラリーマンでサラリーマン以外の生き方を考えている、起業を考えているといった人には一見、本書は参考になるように見える。

ただ、あくまでも著者の不動産業視線。
「サラリーマンを捨てて、大家になりなさい」、其の為に株式会社をつれば節税できる、というのが著者の主張。

色々書いてあるが、起業の指南書ではない。

何より、タイトルにつられて読んだのだが、読んだ内容とタイトルが今一ピンと来ない。

タイトルからは「サラリーマンをしながら自分株式会社をつくりなさい」とも受け取れる。

そして、肝心な何故、「株式会社」については、上記で述べたが、根拠が甚だ弱い。

タイトルの「1000万円生活を謳歌する」というのも、何のことかわからない。

1000万円と「起業」の間には何の関係もない。

内容からするタイトルは「サラリーマンよ、会社を辞めて起業しよう」というところか。

2部構成にして、一部は「起業の勧め・会社設立のメリット・デメリット」、二部は「著者の不動産業の実例」という内容であれば、すんなり読めたのだが。

起業して会社設立のメリット・デメリットについて分かり易く書いているのだが、タイトルが内容に合致していないのが惜しい。
「サラリーマンこそ自分株式会社をつくりなさい」

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