会社に雇われる社員(=労働者・従業員)の健康診断は義務です。
では、役員の健康診断はどうなのでしょうか?
さらに、弊社の様に役員しかいない会社の場合、役員の健康診断費用は経費で落ちるのでしょうか?
その場合の勘定科目は?
専門家の見解を調べてみました。

健康診断 とは?

そもそも健康診断とは何なのか?
健康診断の実施は企業の義務です。
労働安全衛生法に規定されています。

健康診断

健康診断は義務

労働安全衛生法により、事業者は労働者に対して健康診断を受けさせる義務があります。

受けさせないと、違法行為となります。

違法行為とみなされた場合、労働基準監督署から指導が入り、さらに無視を続けるなどすると、50万円以下の罰金を支払わなければなければなりません。

では、何故こういう規定があるのでしょうか?

健康診断の対象は”労働者”

前項では、”事業者”と”労働者”と言葉が出てきました。
“事業者”とは”使用者”と同義です。

分かりやすいのは、昔の野麦峠、現在のブラック企業です。
“事業者(=使用者)”は、”労働者”より立場上なので、劣悪な環境で”労働者”の健康を無視してこき使う可能性があります。

そこで、”労働者”を守る法律の1つが労働安全衛生法です。
そして、健康診断があります。

健康診断の種類

実は、健康診断には種類があります。

●定期健康診断
●特定業務従事者健康診断

定期健康診断

通常、「健康診断」と言うと「定期健康診断」です。
全労働者に対して、年1回のペースで定期的に行う健康診断です。

特定業務従事者健康診断

一方、特定の化学物質を扱う職種など、厚生労働大臣が定める特定業務従事者が受ける健康診断が、特定業務従事者健康診断です。
こちらは、6カ月以内に1回のペースとなります。

健康診断費用の勘定科目

“労働者”の健康診断は義務です。
従って、“労働者”の健康診断費用は経費で落ちます。
※但し、全額ではなく会社負担の費用の上限を決めている会社もあります。

その場合の勘定科目は「福利厚生費」です。

役員の健康診断

役員の健康診断は義務?

以上、見てきたように「健康診断」は”労働者”が対象です。
従って、役員の健康診断は義務ではありません。
但し、役員でも”役員兼工場長”などのように労働性が強ければ、義務の対象となります。

では、役員は健康診断を受けてはいけないのか?
役員の健康診断は義務ではありませんが、受けても構いません。
その場合、問題となるのは役員の健康診断費用は経費で落ちるのかという点。

役員の健康診断費用は経費で落ちる?

まず、役員だけの会社の場合、健康診断の費用は経費では落ちません。
何故なら、元々、健康診断は”労働者”が対象だからです。
※但し、役員だけでなく”労働者=従業員”も全員、健康診断を受ける(あるいは、今後、”労働者=従業員”を雇う予定がある)なら、健康診断の費用は経費では落ちる可能性があります。

しかし、役員だけの会社といっても、役員の健康管理は経営に関わる問題です。
そこで、役員だけの会社で役員が健康診断を受けた場合、どういう処理になるのでしょうか?

役員の健康診断費用の処理

役員だけの会社で役員が健康診断を受け、その費用を会社が負担した場合、「役員の賞与」とみなされます。

その結果、役員に対する給与として所得税が課税されます。
また、会社として法人税の計算上では「不定期な役員給与(役員賞与)」として損金に算入されません。

つまり所得税と法人税が同時に課税されることになります。

これは健康診断だけでなく、役員だけ人間ドッグを受ける場合も同じです。

結論的には、役員だけの会社で今後、”労働者=従業員”を雇う予定が無いのなら、役員の健康診断の費用が経費に落ちないので、個人負担が無難です。

税理士ドットコム
利用者実績No.1の税理士紹介サービス!
無料でご要望に合った最適な税理士をご紹介!
詳細>>税理士ドットコム