中小企業倒産防止共済で一時貸付金という借入制度がある。
3年以上前に借りて返済したが、このところ会社の資金繰りが怪しくなってきたので、再度、借入を行った。
倒産防止共済の一時貸付金借入の手続きを分かりやすく解説します。
中小企業倒産防止共済 一時貸付金とは?
メリット
中小企業倒産防止共済の一時貸付金のメリットは次の3点だ。
②利率が低い
③借りるまで日数が短い
④借入の理由に条件がない
担保・保証人が要らない
中小企業倒産防止共済の一時貸付金の担保・保証人が要らないのは、解約手当金の範囲(上限95%)での借入になる為だ。
利率が低い
倒産防止共済の一時貸付金借入時の利率は、0.90%。
他の方法で借りた時の利率より断然安い。
ちなみに0.90%という利率は前回(2020年11月)も、今回(2024年5月)も同じだった。
借りるまで日数が短い
書類を提出して問題がなければ、一時貸付金の許可がおり、指定の銀行口座に振り込まれる。
本来は、スピーディーなのだが、今回は以下の問題があり、時間がかかった。
①一時貸付金貸付請求書に書いた連絡先の電話番号が元々、倒産防止共済に登録している番号と異なっていたため、確認の電話があった。
②ゴールデンウィークを挟んだ為、その分、日数がかかった。
4/22(月)夕方に書類を中小企業基盤整備機構へ送付⇒4/26(金)電話番号確認の電話⇒4/27~5/6(ゴールデンウイーク)⇒5/7(月)銀行口座に振込
中小企業基盤整備機構は、土日・祝日は休みの為、土日・祝日を挟むと余分に日数がかかる。
通常は1週間くらいではないでしょうか?
借入の理由に条件がない
中小企業倒産防止共済は、本来、取引先が倒産等をして、資金繰りに困った時に資金を融通してくれる制度だ。
しかし、一時貸付金は臨時に事業資金(運転・設備)が必要になった場合、一時貸付金の貸し付けが受けられる制度である。
従って、借入の条件がないに等しい。
デメリット
倒産防止共済の一時貸付金のデメリットは、借入できる金額が決まっている点だ。
掛金総額が800万円の場合は95%。
掛金総額が800万未満の場合は、掛金納付月数が40ヶ月以上で95%×95%=90.25%が最高となる。
掛金納付月数が短いほど、借入出来る金額(一時貸付金の貸付限度額)も少なくなる。
※出典:一時貸付金について~経営セーフティ共済【中小機構】
中小企業倒産防止共済の一時貸付金借入の手続き
倒産防止共済の一時貸付金借入は、今回で2回目だが、若干、手続きが楽になった。
前回(2020年11月)は以下のステップが必要だった。
STEP2:書類へ記入
STEP3:銀行窓口へ書類を提示
STEP4:中小機構へ送付
STEP5:一時貸付金のお受取り
STEP6:中小機構からの書類の受取り
今回(2024年4月)は、「STEP3:銀行窓口へ書類を提示」が無くなった。
銀行に行く手間が無くなったので、随分とラクになった。
STEP1:必要書類を入手
「一時貸付金請求書」はHPからダウンロードできるわけではなく、資料請求フォームから請求を行い、郵送されてくる。⇒経営セーフティ共済 ご契約者さま向け資料請求フォーム【中小機構】
STEP2:書類へ記入
「一時貸付金請求書」には、共済契約者の情報、借入金振込先金融機関の情報を記入。法人の実印(印鑑証明書と同じ法人の実印)*を押印。
* 個人事業主の場合、印鑑証明書と同じ個人の実印
STEP4:中小機構へ送付
「一時貸付金請求書」には、借入金額に応じた収入印紙を貼る必要がある。
さらに、実印の印鑑証明書も添付する。
その為、実印の印鑑証明書を法人の場合、法務局に行く必要がある。
※個人と異なり、法人の印鑑証明書はコンビニで取得できないので、注意が必要だ。
【関連記事】
中小企業倒産防止共済「一時貸付金」の借入【実践編】必要書類・印鑑証明書
STEP5:一時貸付金のお受取り
今回はゴールデンウイークを挟んだ為、書類送付から入金まで、日数がかかった。
前回は11/12(木)に書類を投函して、入金は11/20(金)。
尚、「一時貸付金 金銭消費賃貸契約証書」の日付は11/17。
ざっくり、中小企業基盤整備機構に書類が届いてから入金まで1週間(内容に問題がなければ)といったところではないでしょうか?
尚、振込金額は、請求した借入金から1年分の金利が差し引かれて入金される。
中小機構からの書類の受取り
入金日とほぼ同じくらいに、中小機構から「中小企業倒産防止共済の一時貸付金 金銭消費貸借契約証書」が届く。
倒産防止共済の一時貸付金借入の手続き2024年版【まとめ】
今回の倒産防止共済からの一時貸付金の借入は2020年11月に続き、2回目だ。
前回と比べ、「銀行窓口へ書類を提示」する必要がなくなったのは手間が省けて良かった。
必要書類
倒産防止共済からの一時貸付金の借入を受けるには、「一時貸付金請求書」を提出する必要があるが、HPから請求して郵送されてくる。
「一時貸付金請求書」には必要事項を記入し、実印を押印する。
実印の印鑑証明書が必要だ。
それと、借入金額に応じた収入印紙。
借入まで何日かかる?
書類は中小企業基盤整備機構に送付するが、書類が中小企業基盤整備機構に届いてから、問題が無ければ約1週間で入金されるようだ。
但し、中小企業基盤整備機構は土日・祝日は休みなので、連休などを挟むとその分、振込までの日数は伸びることが予想される。
【「中小企業倒産防止共済」金」関連記事】
- 倒産防止共済の一時貸付金借入の手続き【2024年版】を分かりやすく解説
- 中小企業倒産防止共済「一時貸付金」返済~現金で振込むベストな方法
- 中小企業倒産防止共済「一時貸付金」の借入【実践編③】借入金入金完了
- 中小企業倒産防止共済「一時貸付金」の借入【実践編②】確認印・郵送
- 中小企業倒産防止共済「一時貸付金」の借入【実践編】必要書類・印鑑証明書
- 中小企業倒産防止共済「一時貸付金」の借入方法【分かりやすく解説】
税理士ドットコム
利用者実績No.1の税理士紹介サービス!
無料でご要望に合った最適な税理士をご紹介!
詳細>>税理士ドットコム