今より画像が4倍鮮明な「4Kテレビ」の売り込みに、日本の家電メーカーが本腰を入れ始めた。「4Kテレビ」とは?
4Kテレビとは?
液晶画面には細かな光の粒(画素)が並んでいて、明るくしたり暗くしたりすることで映像を表示する。4Kテレビは画素が約800万(横に約4千、縦に約2千)あり、横が4千のため4K(Kは千を表す「キロ」の略)と呼ぶ。
画素数は今のフルハイビジョンの4倍で、4倍きめ細かい映像が移せる。
進化を遂げてきたテレビの「最新形」が4K。
値段も40万~100万円ほどと普通のテレビの数倍も高い。
テレビメーカーの思惑
テレビ事業の不振に苦しむ日本メーカーは、技術力を活かせる切り札として4Kに期待を寄せる。7月にも衛星放送のCS番組で試験放送が始める予定のほか、今年のサッカーW杯や2020年の東京五輪も追い風と見込んでいる。
4Kテレビの問題点
問題は、「番組などのソフトがどれだけそろうか」。4Kを買っても、従来の番組を画像処理して少しきれいに見られるだけ。
4K対応の番組制作には放送局も高価な機材をそろえる必要があり、今はほとんど対応していない。
映画などの事業も持つソニーは、インターネットテレビ向けに4K対応のソフト配信を強化する方針だが、おもしろい番組をつくれるかがポイントだという。
4Kテレビの今後
テレビ事業のもうけが増えるかどうかも見通せない。最近売れ始めたのは55型で40万円を切るなど値下がり進んでいるため。
中国メーカーは画質で劣るものの日本メーカーの半額以下の製品を売り出し、韓国メーカーの半額以下の製品を売り出し、韓国メーカーもCESで新製品を公開するなど力を入れる。
「価格競争に苦しんだ液晶テレビの二の舞になる心配もある」、そんな見方も出始めている。
(朝日新聞2014/1/7記事より)